山陰スクール 太陽光・風力・地熱…多彩な7プランが最終発表へ

  • 2014.02.14
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1月30日、くにびきメッセにて第3回目の講座が開催されました。
最初にファシリテーターの長谷川さんから第2回目の講座の振り返りがあった後、今回のゲスト講師、弁護士の水上貴央先生から事前に課されていた宿題の発表がありました。
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山陰スクールには現在、7つのチームがありますが、今回は「まちエネマンション建設プロジェクト」メンバーが、検討中の事業に関連の深いセミナーと重なったために欠席。その他、「有福温泉地熱発電+カスケード利用支援プロジェクト」「3本の風車」「スマートグリットプロジェクト」「小さな効率的な安価な森のエネルギー活用プロジェクト」「薪ライフコンサルティング」「お・と・な・のオフグリットクラブ推進事業」の6つのチームが、それぞれの事業計画を発表し、水上先生のアドバイスを受けて、プランに磨きをかけて行きました。

最初の発表と、水上先生からのコメントの概要です。

「有福温泉地熱発電+カスケード利用支援プロジェクト」
島根県江津市にある有福温泉で地熱発電と発電後のお湯を利用するカスケード利用を組み合わせて地域活性化を目指す。地熱資源が実際にあるのか調査・開発し、再生エネルギーの事業計画の立案や地域の方の理解促進の支援を行いたい。

水上先生
「温泉権が関わるため、地域の人の理解が必要。事業主体の構成や利益配分などについて議論を詰めていってください」

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「薪ライフコンサルティング」
薪ライフ体験施設の設置や薪の販売などを行いたい。事業を通じて、活用されていない森林資源を活用や雇用創造、人口流出の防止に貢献したい。

水上先生
「薪にこだわるというスタンスを大切にしつつ、取りかかりとしての事業を一つに絞り込み、具体的な事業プランを組み立ててみてください」

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「小さな効率的な安価な森のエネルギー活用プロジェクト」
地域の森林資源を活用し、皆が木を手にして、エネルギーを作り、使っていく地域をつくりたい。地域は雲南市を考えている。

水上先生
「事業の位置づけや規模について、具体的に整理をしてみてください」

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「3本の風車」
地域資源である風力で発電する事業による収益を地域に還元し、地域が活性化するよう貢献していきたい。景観などの問題もあるが、理解と協力を得られるよう検討したい。

水上先生:
「事業として利益が出る単価を想定し、直ぐに着手できるか、地域の漁業者の理解を得るには何が必要かという点について検討してみてください」

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「お・と・な・のオフグリットクラブ推進事業」
エネルギー自立地域を山陰に作ることを目指し、市民共同発電所設立の可能性を模索したい。

水上先生:
「市民発電を考える時に重要になるのは、その場所で発電をするのか、全然関係のないところで発電をし、その収益で大人のオフグリットをするのか。どちらもメリット・デメリットがあるのでそれを踏まえて、検討を進めてみてください」

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「スマートグリットプロジェクト」
ある特定の地域をモデルにとって、規模は小さくともスマートグリットを実際にやっていきたい。

水上先生:
「スマートグリットというのは多義的な意味があるため、自分たちが目指すべきスマートグリットとは何かを更に具体的に追究してみてください」

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水上先生のアドバイスを受け、その後約一時間、チームごとの検討の時間を持ちました。水上先生に各チームにアドバイスいただいた他、島根県や山陰合同銀行の方もアドバイザーとして議論を見守っていただきました。

この検討を受け、各チームのプランは以下のように磨き上げられました。

「有福温泉地熱発電+カスケード利用支援プロジェクト」
資金調達が課題だが、地域還元型の資金調達モデルを検討したい。次のステップとして、助成金を採択された場合、採択されなかった場合の計画を検討しようと思う。

水上先生:
「地域への還元方法を詳細に詰めること、また、助成金が採択されなかった場合の代案を考えること。このいずれかに絞って最終回のプレゼンテーションに望んでください」

「薪ライフコンサルティング」
飲食店で薪ストーブを実際に作ってもらい、そこで薪ストーブの制作過程や薪割りの様子を映像で流すことで普及に努め、会員獲得や薪の販売につなげたい。

水上先生:
「薪ストーブを使う人と、薪ストーブに薪を供給する人をどうやって把握するか。物流コストが最小化するような繋ぎ方や自分たちならではの価値の出し方について具体的に検討してみてください」

「小さな効率的な安価な森のエネルギー活用プロジェクト」
気軽に家庭レベルで使いたいということを考えると発電は厳しいので、ボイラーとして使用する方向で事業計画を詰めたい。地域のスーパー等に設置してもらい、市民から無料で薪を持ってきてもらう。ワークショップの開催やチラシの配布による啓発活動を意識しつつ、事業化に向けて具体的に検討を進めたい。

水上先生:
「町の人がスーパーに薪を持ってくる必要性や、スーパー等の各プレイヤーのメリットをについて、更に検討を進めてみてください」

「3本の風車」
故障等のリスク対策も踏まえ、地域の理解を得て事業を推進する方法を考えて詰めてゆきたい。

水上先生:
「地域の漁業者としては、風車の設置が自分たちに経済的メリットをもたらすかどうかが気になるはず。また、魚がとれなくなるなどのリスクの有無についても検討しつつ、メンテナンスなどのコストを抑える方法を考えながら、是非具体的に詰めていってください」

「お・と・な・のオフグリットクラブ推進事業」
山奥の過疎地の保育園や幼稚園の屋根や敷地などで太陽光をしたい。今後、候補地の視察を行いながら、具体的な検討を進めていきたい。地域の人を巻き込んで、理解してもらいながら進めていきたいと考えている。

水上先生:
「太陽光パネルを置いた結果、巡り巡って子どもが笑顔になりますといったストーリーが作れると非常にきれいだと思います。長野県の飯田市の過疎地では、小水力発電の収益を保育所の維持に使おうという話が進んでいて、参考になると思います。候補地の写真と夢のあるストーリーをうまく連動して、次回のプレゼンテーションに臨んでいただければと思います」

「スマートグリットプロジェクト」
例えば集合住宅の協同組合に入っていき、そこの住人や大家さんに再生可能エネルギーの提案するようなところから考えたい。付加価値として情報交換であったり、お年寄りの安否確認の情報なども含めたメリットを感じてもらえるしくみづくりを考えたい。

水上先生:
「エネルギーの見える化、それに伴う省エネや、地域内融通というのがスマートグリットの価値。つまりスマートグリットをブレイクダウンすると見える化だったり省エネだったりになる。スマートグリットの効果の実現を目指して、価値をブレイクダウンしてみてください」

全てのチームの発表の後、水上先生からは「是非すべてのチームに事業化を実現していただけたらと思います。規模の大小に関わらず、今年中には何か始める、来年には何かができているといったスピード感で考えていただくことが重要です。自分の設定した目標に向かってスピード感を持って動き出すと具体化すると思いますので、誰が何をするか決め、主語と時間軸を大事にしてプレゼンテーションに臨んでいただけたらと思います」とのコメントがありました。

最後に、最終会の発表に向け、資源エネルギー庁の村上課長からのビデオメッセージが上演され、事業計画を仕上げる上でのポイントが紹介されました。
山陰スクールの発表は3月7日、くにびきメッセで開催されます。

(注:会場が当初予定から変更がありましたのでご注意ください)