長野スクールも開講しました!

  • 2014.12.10

ぽかぽか小春日和の1127日、まちエネ大学長野スクール第1回講座が長野市にある八十二銀行別館AV研修室にて開催しました。

4回の講座の進行は、地域ファシリテーターのNPO法人森のライフスタイル研究所、竹垣英信さん。「今日の目的は仲間作り。信州の人は議論好きで実際のところまではいかないと良く聞きます。テーブルの島が6つあるので理想としては6つのプロジェクトができるよう、進めていきましょう!」と呼びかけました。

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宝塚すみれ発電の井上保子さん、徳島地域エネルギーの豊岡和美さんのビデオメッセージからたくさんのキーワード、押さえておきたいポイントを学びます。採算性・継続性があり、みんなが喜びあえる良い事業プランの提案。市民や行政、事業者、いろんな人を巻き込みながら、常にチームでビジョンを確認。地域の強みを活かしてプロデュースしていくことが求められます。各テーブルで感想を共有しながら自己紹介タイム。「女性はすごい!僕なんかけんか腰になっちゃうもんな」という声が聞こえてきました。いえいえ、女性を支えてくれている男性がいてこそ…事業が進むのです。

続いて経済産業省資源エネルギー庁再生可能エネルギー推進室長の渡辺伸仁さんから、固定価格買取制度の最新情報を織り交ぜたお話。会場からの「この先、買取制度はどうなるの?」という質問にも答えていただきました。

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次は長野県環境部環境エネルギー課企画幹の田中信一郎さんから、長野県の現状や取り組みについてのお話。地域主導で自然エネルギーを進めていくために、産官学民連携のプラットフォーム「自然エネルギー信州ネット」を作った。「全国小水力発電サミット」を開催したり、「おひさまBUNSUNメガソーラープロジェクト」「信州F-powerプロジェクト」を推進している。助成金や制度の情報も随時提供していくので、ぜひ事業化を目指してください――と皆さんを激励しました。

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休憩をはさんで、いよいよグループ分け。受講生の方々によるミニプレゼンタイムです。「これがやりたい!」という人は画用紙に「やりたいこと」を書いて前へ。まずは4組5名の方が名乗りを上げました。 

トップバッターは、王滝村役場地域おこし協力隊の倉橋孝四郎さん、高尾康太さんペア(木曽郡王滝村)による「森と人のつながり、小さな村だからこそ木質バイオマス」。人口900人の村だからこそできる、エネルギーが循環する地域づくり。まずは薪を配達するルートづくり、そして薪を使う文化を再燃させることから始めたい。

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信州リンゴの薪専門店の青木信治さん(長野市)は「過疎地農山村崩壊ビジネス! 北信州お街へいいね!」。りんごの薪を販売しているが、りんご農家も高齢化で伐採が厳しいのが現状。過疎地を元気にしたい。都会の人が「いいね!」と言ってくれるものをパッケージ化できないだろうか。

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コテージログハウスGOO!の酒井良兼さん(上水内郡信濃町)は「小型分散=田舎が有効」コテージを経営しているが、田舎ならではの小型分散型の発電をしていきたい。

新生Webサービス株式会社の久保田謙三さん(長野市)は「ペレットストーブとボイラーで地域に仕事を生み出す」。ウェブ制作や販売の仕事をしている。太陽光発電は、あまり雇用創出に寄与しないので継続的に働ける場をバイオマスで作っていきたい。

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4組の発表が終わったところで、信濃町エネルギーを考える会の岩間正之さん(上水内郡信濃町)も手を挙げます。「食の循環とバイオマス活用」。バイオマスガスだけでなく、農家や食を一緒にした地域づくりをしていきたい。

発表内容はホワイトボードに書き留められ、竹垣ファシリテーターが、それぞれのプレゼンターとやりとりして、内容の確認とアイディアを提案。すると、もう一人。信州大学地域戦略センターの新雄太さん(長野市)が「空家を活用した再エネの取り組み」

長野県は全国2位の空家王国。5戸に1戸の空家を有効活用した再エネビジネスができないだろうか。

さて、いよいよグループ分け!受講生それぞれが、関わってみたい、興味のある人のところへテーブルチェンジです。竹垣ファシリテーターから、これからの時間の使い方、グループワークの約束(自由にアイディアを出す・人の意見を否定しない・相手の話を聴く姿勢で・時間をひとりじめしない)が説明されました。また、テーブルチェンジが可能なこと、いくつかのプロジェクトが一緒になっても良いことなども付け加えられ、自由な雰囲気で楽しくワークがはじまりました。

すると…上田市民エネルギーの藤川まゆみさん(上田市)が「遅れてきてごめんなさ~い!私も手を挙げたいんです!」と会場に走り込んできました。キーワードは「地域を巻き込む」こと。上田市民エネルギーで「相乗りくん」という太陽光パネルを屋根に相乗りさせる事業をしているけれど、もっと地域を巻き込めないかって。

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すると、別の女性も「私は小水力で地域を巻き込みたいの!」と声があがり、「地域を巻き込む」という共通点で、最初の倉橋さん・高尾さんペアと一緒にグループワークをすることになりました。

途中、渡辺室長や田中企画幹、八十二銀行の融資担当者、竹垣ファシリテーターが必要に応じてグループの質問に答えたり、アドバイスする場面が見られました。いろいろな地域・立場の方が集まり、必要な情報や知識を得ながら、夢をカタチにしていく作業は、見ていてもとても気持ちの良いものです。

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約40分間のグループワーク、話は尽きませんが、それぞれのグループ名と第一次プランの発表です。

<6つの事業プラン>

①ひと肌脱がせ隊…地産地消エネ(王滝村)+太陽光(上田市)⇒エネルギーを地域でまかなえる仕組みづくりと地域おこし。バイオマス・小水力・太陽光と発電方法は違うけれど「力を貸すよ」「手伝うよ」とひと肌脱いでくれる人を増やす仕掛けをどのように作っていくか考えていこう。

②過疎農地活用(長野市)⇒リンゴの薪、長野ならではのいいもの発見、ブランド化につなげる。

③バイナリー熱利用発電(信濃町)⇒木質、バイオガスをどのように集めて管理するか検討しなければならない。

④ペレット活用(長野市)⇒まずは、ペレットの良さを体験できる場をつくりたい。

⑤食の循環+省エネコミュニティ(信濃町)⇒農地付き10戸ぐらいのエネルギー自給自足できる省エネコミュニティをつくる。熱利用で熱帯植物を栽培してはどうか。

⑥空家×再エネ×入居者求む!(県内)⇒クラインガルテン、タイムシェア・シーズンシェア。改修プロセスもイベント化したり、コンビニのような小規模インフラを整備。県内どこかで具体的にはじめたい。

とても良い雰囲気で時間があっという間に過ぎていきました。竹垣ファシリテーターのまとめのあと、事務局へ引き継いで諸連絡。次回までの宿題も出され、無事第1回講座が終了しました。熱気いっぱいの会場では、グループでやりとりができるよう、メールアドレスの交換をしたり、続きを話したりと、なかなか席を立つ人がいない状態で、仲間作り大成功!を実感しました。第2回講座は12月19日、今から楽しみです。(了)