神奈川・横浜スクールは、7つの事業構想グループでスタート!
- 2014.09.11
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去る9月2日(火)、神奈川・横浜スクールが横浜信用金庫本店8階会議室で開講しました。まちエネ大学は今年も、ここ横浜を皮切りに秋田、仙台など全国各地5か所で、開催されます。第1回講座には、東京や埼玉からの受講生も含めて30名が参加しました。
今回のテーマは「事業を進める仲間づくりからはじめよう!」。
つまり、この講座で事業プランを共に考えていくための仲間探しが今日のゴールというわけです。同じ志を持った仲間同士が集まって、一体どんな化学反応が起こるのでしょうか。
受講生の皆さんは、約1ヶ月前のプレイベントに参加した方ばかりで、最初から和気藹々とした雰囲気でスタートしました。横浜スクールの地域ファシリテーターを担う治田友香氏からは「最後に数字を入れた事業プランまで考えてもらうことが目標、そのためのグループづくりがとても大事になります!」と説明がありました。
次に、実際に地域で再エネ事業を始めている2名の先輩として、徳島自然エネルギー理事の豊岡和美さんと、宝塚すみれ発電所代表取締役の井上保子さんのインタビュー映像を見ながら、講座への参加動機や事業化を進めていくうえで大切なことなどを受講生に聞きました。
参加動機では、
「3.11を経験したことで、分散型によるエネルギーの地産地消が大事だと思った」「地域でもっと再エネの対話ができれば、地域のプロジェクトとして広がると思う」
など、様々な立場や動機から再エネを真剣に考えるきっかけにしたいとの思いが語られました。
また、事業化を進めていくうえで大切なことについては、
「暮らしとの結びつき。ネットワークや技術も自分たちでまわして暮らしに結び付けていくことが大事」「目的は地域の活性化。コミュニティレベルではみんなが元気に、という点が一番大事」
など、すでに事業化の試みを始めている受講生から力のこもったメッセージがありました。
まちエネ大学の特徴は、地域ごとのファシリテーターが進行役となり、こうした資料映像と受講生同士のディスカションを組み合わせた対話形式で進むことです。様々な考えや意見に触れながら、さらに自分のアイデアを固めていくことができます。受講生は、早くもお隣同士でディスカッションをはじめたいとウズウズされている様子でした。
続いて、経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策室長・渡部伸仁氏より、国内のエネルギー事情や固定価格買取制度の現状について、さらに神奈川県地域エネルギー課長・山田健司氏より県主導の屋根貸事業などについての情報提供がありました。最新の情報をポイントを押さえて修得することができるのも、まちエネ大学の特徴です。
そして、いよいよ後半戦。
前半の講義を受けて、第1回講座のゴールである事業プランを共に練り上げていく仲間を探すワークショップがはじまりました。
まず、受講生の中から、我こそはグループのリーダーとなって、自らが再エネ事業のプランを是非この場で打ち立ててみたい!というプレゼンターを募りました。挙手をしたのは男女7名、会場からは「おぉー」という声が上がりました。事業構想を象徴するキーワードを胸に、立候補した7名ひとりひとりが、動機や再エネに対する熱い思いを受講生全員に向かって訴えました。
7人の方々からは、こんなキーワードが挙がりました。
「原発ゼロ」
「地エネを掘り起こして持続可能社会へ」
「エネルコンシェルジュ事業、発電事業、スマートコミュニティ事業」
「ソーラーパネル畑をつくりたい」(みかんの畑と太陽と)
「再生可能エネルギーの為にエネルギーを使う⇒枯渇して喜ばれるものを原料にエネルギーを生み出す」
「官・民・行政・市民ボランティア」
「エネルギーシフトは暮らし方のシフト」
市民発電所の立ち上げや拡大、食品残さ等の利用によるバイオマス発電、官民連携での再エネ事業普及など、どの発表もアイデアに溢れ、実現したら面白そうなものばかり。受講者も真剣な眼差しでプレゼンターの発表を聴き分けていました。
そして、運命のグループ分け。受講生は、自分が希望するグループを自由に選択することができます。7つのグループは、2名から6名まで大小に分かれ、ここでようやく本講座で事業づくりを進めるための最初の仲間ができあがりました。
自己紹介などを兼ねたグループセッションの時間では、さっそく構想を事業化していくにはどうしたらよいか、問題点を出し合ったグループもあり、活発なディスカッションの時間になりました。
神奈川・横浜スクールでは、以下7人のリーダーによる7つの事業構想グループができました。
- 川崎市内での市民電力発電所の普及拡大 リーダー:川岸卓哉さん(原発ゼロ市民共同かわさき発電所)
- 東京都町田市内での市民電力発電所の立ち上げ リーダー:入澤滋さん(町田電力)
- たまプラーザでの市民電力発電所の立ち上 リーダー:梅原昭子さん(たまプラーザ電力)
- 茅ケ崎市内での食品残さ等を使ったバイオマス発 リーダー:菅野恒宏さん(サン興産株式会社)
- 根府川・片浦地区での発電プロジェクトの立ち上げ リーダー:帰山寧子さん(片浦食とエネルギーの地産地消プロジェクト)
- 横浜・大倉山での発電プロジェクトの立ち上げ リーダー:肥後貴美子さん(熊野の森もろおかスタイル)
- 商業施設での官民連携による再エネ普及事業の新アイデア リーダー:水津和幸さん(三井不動産株式会社)
こうして、第1回講座は、2回目以降への期待が高まるなかで終了しました。講座後は、場所を移動して懇親会が開かれ、横浜の地ビールと地元の食材を使った料理とともに、講師や受講生同士の交友を深める格別の夜になりました。
次回は、全国で市民出資型の風力発電事業を展開するNPO法人北海道グリーンファンド理事長・鈴木亨さんをゲストに迎え、組織づくりとファイナンスの基礎知識について学びます。そのあと、グループディスカッションを踏まえて、各グループの事業計画に対して鈴木さんから直接アドバイスをいただきます。(了)