第1回 和歌山スクール、多彩な顔ぶれでスタート!

  • 2013.11.29
DSC_2322

すがすがしい秋晴れの空のもと、まちエネ大学和歌山の一回目の講座が始まりました。開場前から続々と参加者が集まり、5会場では最大級の41名。行政機関や森林組合などからのオブザーバーを含めて60名以上の方々で会場は満席となりました。再エネのすべてのジャンルが揃っている和歌山から、どんな取り組みが動き出すでしょうか。

和歌山スクール第一回講座は、地域ファシリテーターの紀陽銀行・吉田久視子(くみこ)さんと、応援に駆けつけてくれたプレイベントファシリテーターの吉田展生さんという「ダブル吉田」による進行で始まりました。

_IGP4688

一橋大学イノベーション研究所教授・米倉誠一郎さんのビデオメッセージでは「エネルギーの分散型の技術が発展してきており、地域で活かすことでエネルギー自立の第1歩につながる。日本の技術を各地で小さく始めることで世界に打って出ることも可能である」とエールをいただきました。受講生からは「“電気は与えられるもの”という認識が改まった。これからは自分たちで作ることが可能であり、重要であると感じました」「これからの社会づくりに分散型エネルギーへの移行が求められていることに共感できました」という感想がありました。

今回のテーマは「再エネビジネスのパイオニアに出会う」。まずは、再エネの最新動向と合わせて基本的なレクチャーを受けました。

資源エネルギー庁の村上課長からは冒頭、前回のプレイベント5会場から感じた特に印象的な3つの地域についてクイズ形式で会場に質問。その中のひとつである和歌山は「移住者が多く、地元の人が当たり前と思っていることから新たな価値を創りだそうとしています。和歌山ラバーズ(移住者)と和歌山オリジネート(地元民)とが上手に手を組めれば大きな力になると感じています」と受講のヒントにつながるコメントがありました。

_IGP4671

次に、事前に映像学習した再エネの概要について、資源エネルギー庁の金龍さんからご説明があり、再び要点を村上課長がレクチャー。受講生一同、真剣にテキストにメモを書き入れていました。

その後、ゲスト講師である銘建工業・中島社長の講義がスタートしました。1988年から自社での発電システムをスタート。すでに2,000kwの発電設備を備え、製材で出るかんなくずや樹皮、端材など200トン近く出てくるものを余すことなく用いて、年間140万kwを作り出しています。木質バイオマス再エネの先駆者としての苦労と喜び、そして今後の大きな挑戦についてのお話がありました。講義を聞き終えた受講生からは、取り組みの難しい、この木質バイオマスの現状と可能性についての具体的な質問が相次ぎました。

DSC_2321

後半はグループワークを行い、10グループが講義を聞きそれぞれの思いと、話し合ったメンバーの共通点について意見が出ました。参加者からは「和歌山は再エネの多様性があり、自分たちでも始められる可能性がたくさんある場所。特に木質バイオマスは熱としても電気としても活用できる、豊富な森林資源がある。地産地消、地域の連携をつくりながら、新たな展開を考えていきたい」といった意見が出ました。

DSC_2350
_IGP4712

最後に、ゲストの中島さんからは「ちょっと切り口を変えてみると、宝になるものはたくさんあります。やれること、やれないことの見極めは大事ですが、そういう目を持って取り組んで行けば道は自ずと開かれてくるでしょう」とエールを送っていただきました。村上課長からは「個人的に“再エネ風土記”を作り上げたいと思っています。実現のために必要なことは、まずやる気を持つことが大事で、コツコツやっていくことでストーリーが生まれます。そういうものを大切に共有することで再エネ事業は形になっていきます。このまちエネ大学を通じて前に進んで欲しいです」とコメントがありました。

講座開催後の懇親会では25人以上が参加。グループワークで発表できなかった方も含めて一人ひとりから熱い思いをコメントいただき、賑やかな意見交換の場となりました。

_IGP4723

第2回目の講座は、ゲスト講師に大和田順子さんをお迎えして、地域の特性を知り、その資源を活かすためのヒントについて学んでいきます。